ワイヤーを使わないインビザラインという矯正方法

「歯列矯正」と聞いて思い浮かべるのは、歯に装着された銀色の矯正器具のイメージではないでしょうか。
しかし最近では、そういった従来のワイヤー装置を使用することなく矯正治療する方法が存在します。

その一つが、透明のマウスピースを使用して矯正治療を行う「インビザライン」という歯列矯正です。
インビザラインは1990年代にアメリカで開発され、2000年代には日本でも本格的に導入されはじめました。
現在ではインビザライン治療の専門医も日本全国に存在しています。

インビザラインは従来のワイヤー治療とは大きく異なります。
その最大の特徴は、自らの手で簡単に矯正装置を取り外しできる点にあります。
インビザライン治療に使われるマウスピースは、薄くて丈夫なプラスチックでできています。
これをアライナーといいますが、食事中や歯磨きの際にはその都度取り外すことができるので、これまでと何の変りもなく食事や歯磨きをすることができます。
また、アライナーは透明なので治療中も目立たず、周りからの目も気にならないはずです。
このようにメリットの多い治療方法ですが、どんな状態の歯並びでもきれいに治療することができるのでしょうか。

実は、口の中の環境によってはインビザライン治療が難しい場合もあります。
例えば、骨格性のいわゆる「出っ歯」や「受け口」は、インビザラインでは治療できません。
これは歯列に問題があるわけではないのでワイヤーなどほかの歯列矯正であっても治療は困難で、外科矯正が必要になります。

また、抜歯を伴う矯正も難しくなります。
基本的にインビザライン治療の場合、抜歯を行うことは少ないといえます。
これは、抜歯を伴うインビザライン治療には高い技術や経験が必要で、それなりのリスクもあるからです。
「出っ歯」や歯が重なって生えている状態の「叢生(そうせい)」の場合、重度のケースではどうしても抜歯が必要になり、インビザラインでの治療を断られることもあるでしょう。

しかし、インビザライン治療はこれまでに世界中で340万人以上の人がその治療を受けており、様々なケースの治療実績があります。
骨格には問題がなく抜歯の必要もない場合には、「出っ歯」や「すきっ歯」、「受け口」、「叢生」もインビザラインでの治療が十分可能です。

歯列矯正は口元の印象を大きく変えますし、治療費も高額になるため慎重に治療方法を選ぶ必要があります。
自分に合った治療方法は何なのか、信頼できる医師に一度相談してみてはいかがでしょうか。